ゴールデンウィーク・ララバイ

ゴールデンウィークがもうすぐ終わる。振り返れば、“ゴールデンウィークらしい”ことはほとんど何もしていない。ただInstagramのストーリーで繰り広げられる充実したゴールデンウィークの過ごし方の報告が眩しくて仕方がない。私の場合、ゴールドというかブロンズでもなく、逆に出来るだけ家に引きこもっていたために退屈な日々を過ごしていた。

 

 

子供の頃は良かった。夏休みのようにたくさん課題が出るわけでもないし、昼寝だって毎日できる。大好きな高速道路を長時間眺めることが出来るし、おばあちゃんおじいちゃんちへ行って、まったり過ごす楽しみがある。

 

でも、大人になってからのゴールデンウィークって鬼畜だ。車を走らせれば渋滞、新幹線にはすし詰め、お目当てのお店は大行列、宿泊費は高騰…… 日々働いて貯めたお金もあっという間に吹っ飛んでいく。自分から不幸になりにいっているようなもんじゃないか。

 

 

 

私のゴールデンウィークの幕開けは正直言って最悪で、結論からいえば警察沙汰だ。

とはいえ何か犯罪に巻き込まれたとか言うわけではなく、意気揚々とお昼を買いに行ったと思えば、帰り際車に乗り込む時に強風が吹き、その反動で全開に開いたドアが隣の車をこすってしまったのだ。がっつり塗料が移ってしまっている。がーん。

誰も見ていなかったけれど、お天道様は見ている。このまま知らんぷりすれば後々きっと自分に返ってくるのだ。お寿司買わなくて良かった…と冷静に安堵しつつ、110番。お巡りさんに一部始終を話し、後々持ち主とやりとりをすることになって解散。あとあと持ち主と連絡を取ったら、全然気にしてないし忙しいから大丈夫です〜という軽い感じで示談は成立した(警察に寄れば、エンジンが稼働していない場合は事故証明が出ずに当事者同士で話し合いをするしかないらしい)。私以前に、相手方には大変申し訳ない出来事であった。

 

 

それから、出掛ければ何かしら不条理なものに巻き込まれる、という教訓を得て(もちろん私の不注意が悪いのだが)家に引きこもることに決めた。犬も歩けば棒に当たる。オミソ・シルコは歩かなければ棒には当たらない。その代わり特段ハッピーな出来事にも遭遇しないけれど。

 

 

結果、とりあえず美味いもんを食べようぜ、ということに帰着した。安パイである。

平成最後の晩餐とやらは寿司に決めた。ほろ酔いのまま天皇陛下お言葉スタンバイ。さようなら平成、こんにちは令和。さよなら三角、またきて四角。

 

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左上の青い皿、友人の結婚式の引出物なんです。センス良いー!

ゴールデンウィーク中、まともに出かけたことといえば、京都の南の方にラーメンを食べに行ったことと、義実家の田植えの手伝いをしに行ったことくらいだろうか。母の日のプレッシャーから逃れるために、早々にネットでポチっておいたプレゼントをたいそう吟味したかのように渡すしたたかさよ。どうやらわたしのことは気に入ってくれているようなので、良しとする。義実家に行くときは心を無にすることが大事である。

 

 

帰り道、自分たちを労わるため、スーパー銭湯に行ってひたすらリフレッシュに勤しむ。ただここでもゴールデンウィークの波を感じずにはいられない。大学生くらいのピチピチな若者が4人くらいでまとまってお湯を移動していく。どうしてもその集団と湯を共にすると色んな雑念が湧き溢れてくるので、行動を読みながら極力人口密度の低い湯を回った。ここでもまた一つ無駄なエネルギーを消費してしまった。

 

 

そして、最近近くのモールにできたイケてるドーナッツ・ショップに寄る。

ちょうど私の前に三世代の親子が並んでいたが、ストライプのラインの入った細身のジャージを身につけた30代くらいの孫がその前に並ぶ母親の背中の贅肉を事あるごとに揉んでいるのが目に入ってしまって、ドーナッツを選ぶどころではなかった。なんとかその光景との戦いを終え、ありつくことが出来たドーナッツがこれだ。


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わたしはカフェイン中毒でまともにコーヒーが飲めない体になってしまったので、緑茶とコーヒー味のドーナッツというチグハグな組み合わせになってしまった。ちなみに、日曜日の朝にとっておきの豆をKalitaのコーヒーミルで挽き、サンジャポを鑑賞しながら飲むというのがわたしのコーヒー・ルーティンである。

 

 

 

そして極め付けのこの豪華な海鮮丼。


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どこの誰が言い始めたのかは知らないけれど、誰でも〇〇な星を持っているものだ。「面倒臭い客に当たりがちな星」とか「全然渋滞に巻き込まれない星」とか。雨女や晴れ男みたいなもの。

 

その点、わたしは「物をよくこぼす星」と「美味しいものが集まってくる星」を持っている。知らんがな。

気付けば定期的に、クッキーやビスケットなどのお菓子、日本酒やワインや梅酒、佃煮の類のものなど人によく物を貰う。最近では、全く違う人物たちから異なるチーズケーキを4回も頂いたり、日本酒の瓶が6本くらいに増えたり(飲みきれないので友人に送った)。そんな星が今回も活躍してくれ、このいくらとネギトロが手に入った。

 

 

ただの負け惜しみ(何に)かもしれないけれど、こういう大型連休は家でまったりするのが正解な気がする。だって、みんなでこぞって出かけるから渋滞が出来るわけだし、トイレに行けない人も渋滞で誘発された事故に巻き込まれてしまう人も出てくるんじゃないか。ゴールデンウィークこそが諸悪の根源な気がしてならない。

 

写真:著者撮影(iPhone6を使用)

 

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ハイスクールララバイ

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