弾丸金沢旅 〜金沢城とハントンライス、懐かしの喫茶店〜

弾丸で金沢に行ってきた。計3度目の訪問。

今回はかなり強気で、滞在日数は1.5日、予算は宿泊費と食費諸々込みでトータル1.5万円。

 

到着は深夜だったため、FIRST CABINで一泊。

ここが本当に最高で、もっとゆっくりしていたかった。

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チェックアウトのタイミングで、500円の1日フリー乗車券を購入し、キャリーケースを預ける。金沢城公園は宿のすぐそばなので、歩いて行ってみることにした。

庭園をひとりで散歩するとは、少し大人になった気分だ。

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雪が積もったらもっと綺麗なんだろうな

金沢城は数あるお城の中でも多種多様な石垣が見られることで有名なのだそうだ。分からないなりにも「これは一つ一つの石のサイズが大きいなあ」とか「おっ、ここはキュッと目が詰まっている感じがするぞ」などと自分なりに解釈しながら石垣を眺める。物事には色んな見方があることを学ぶ。

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せっかくなので、城内を見学。この日は絶好の旅日和で、空が澄み渡っていた。

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金沢城は度々、落雷や火災で焼失しており、平成のうちに新しく復元されたのが、この菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓らしい。チケットに映っている両端の高い部分が物見櫓の役割をしていて、内側から上ってみると、外から見るよりもかなり高くから見渡せることがわかる。遠くの家までちゃんと見えているからすごい。

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この後、三の丸広場のベンチに座って、人々が写真を撮る様子を眺めながらひたすらぼーっとしていた。風が冷たくて体は冷えてきたし、お腹は空いてきた。お昼は何を食べようか。

そういえば、行ってみたいお店があった。石川門から金沢城を出て、バスで香林坊まで向かう。少しくたびれたのでわざと遠回りして、外の景色を眺めながら小休憩。

 

僕が旅に出る理由 

「僕が旅に出る理由はだいたい百個くらいあって」とくるりは歌うけれど、わたしにとっての旅に出る理由は大きく分けて三つある。

 

ひとつめは安宿。

ビジネスホテルの慣れない広さが落ち着かず、眠れないことが多いが、ゲストハウスの小さなベッドルームは不思議と安心して熟睡できる。上のグレードに一度慣れてしまうと下げるのはキツいはずなので、心と体が持つうちは一泊3千円前後の安宿探しを楽しみたい。限られた条件のなかで何ができるのかを考えるのが楽しい。今回も「泊まりたい宿」を優先して予定を組んだ。

 

ふたつめは、地域に根ざしたお店を見つけること。

定食屋さんや純喫茶、銭湯や八百屋、パン屋。その土地土地の文化や雰囲気を感じられる気がする。ピカピカの新しいお店もすきだけれど、少し看板が汚れているくらいが丁度いい。

 

みっつめに、路地裏を歩くこと。

近道を探すのも、遠回りをするのも楽しい。裏道に入った途端に、オープンワールドゲームの主人公になってマップを広げていく感覚になる。鮮やかな寒椿の花が民家の庭先に咲いているのを見つけたり、雰囲気の良さげな居酒屋さんに出会ったりする。

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グリルオーツカは裏路地をずんずん進んだところにある。初見殺しである。

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金沢のB級グルメと言えばハントンライス。グリルオーツカは、国道8号沿いにあるキッチンユキと並んで有名なお店だ。ちょうど12時頃で、お昼休みのサラリーマンの姿が多い。

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カウンターの奥の席では、常連さんらしき人が『徹子の部屋』を見ながら定食を食べている。

 他のメニューに目移りしそうになるのをグッとこらえて、ハントンライスを注文。

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ケチャップライスのオムライスの上にまぐろのフライとエビフライが乗り、ケチャップとタルタルソースがかけられている。ぐぬぬ。美味しい……。普通サイズは量が多いとあったので女性向けの小にしたのだけれど、メニューに書いてある「クリームスープ」がどうしても気になる。「さすがにスープまでは食べ過ぎかな」「いや、ハントンライスは小なんだからスープも食べていいよね」という脳内会議を経て、追加注文。注文を取ってくれた店員さんが、小声で「正解。」と言ったのをわたしは聞き逃さなかったぞ。

クリームスープは大正解だった。カロリーオーバーとかランチに1,500円は高いかなとか、そういうのは一旦置いておいて、これを食べない手はない。大げさのように聞こえるかもしれないけれど、いままで食べたスープの中で一番美味しい。

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わたしがスープに夢中になっている間に、いつの間にか常連さんはお会計を済ませて席を立っていた。お昼のピークを過ぎた店内には、オーナーさんがカレンダーにマジックで予定を書き込む音やスタッフが談笑する声が響いていて居心地がよかった。

 

少しでもカロリーを消費するべく、徒歩で石川四高記念博物館や21世紀美術館を巡る。

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21世紀美術館の屋外では、右手にあるヘモグロビンのような椅子に座ったおじさんおばさんグループが、コールアンドレスポンス形式で演歌を歌っていて、微笑ましい気持ちになった。

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西日が強くなって来た。

香林坊に戻り、せせらぎ通り沿いにある懐かしのお店、WEST COASTへと向かう。

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金沢はお洒落な街だなあと思う。わたしの地元では考えられないくらい、雰囲気の良いお店がたくさんある。初めて金沢に来たときは、教習所で同室だった高校生と一緒だった。2週間の同居生活で姉妹のような関係になり、勢いで開催されたプチ卒業旅行だった。このお店が懐かしいのは、同期のメンバーに金沢出身の美大生がおり、この喫茶店で再会したからだ。

(免許合宿の話はここからどうぞ。Googleからの流入が地味に断トツで多いこの記事。)

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ウインナーコーヒーを注文。

コーヒーが手元に届いてから、程なくするとクリームが溶けてマグカップにふわっと広がって、薔薇の花びらのように開く仕組みになっている。芸術だ。

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幾つになってもカラースプレーは嬉しい

店内にはレコードやCDがたくさん置いてあって、オーナーのこだわりが感じられる。

フレディ・ジャクソンの『Nice “N” Slow』やナット・キング・コールの『Fly Me To The Moon』などが流れていた。もちろん、Shazam先輩で調べた。贅沢な時間だなあと思いつつ、フミコ・フミオさんの著書『ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。』を読むなどして過ごした。

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疲れたので荷物をピックアップして、今晩の宿で夕寝でもしよう。 続きはまた。

 

【参考】

北鉄バス1日フリー乗車券(http://www.hokutetsu.co.jp/tourism-bus/oneday

金沢城公園hp(http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/index.html

 

写真:著者撮影(Olympus E-M10 Mark IIIを使用)