2021年の年越しはこれまでになく地味で大人しいものだった。
大晦日はRIZINと孤独のグルメを行ったり来たりしながら蟹とビールとミックスナッツをお供に過ごす。中学生の頃、目をキラキラさせて見守っていた所英男さんが、15年の時を経てもなお戦い続ける姿を見れることは非常に感慨深いものがあった。『ゆく年くる年』にチャンネルを回し、生蕎麦を湯がいている最中に除夜の鐘が鳴った。
元旦。今年は実家に帰省することも叶わないし、義実家に挨拶に行く予定もない。初詣にも、しばらく行けそうにない。お正月というよりはただの休日だ。いつもの休日と違うのは、窓の外がひっそりしているのとテレビの中が数倍騒がしいことくらいだった。
遅く起きた朝、前の日に余った蟹のほぐし身を入れて炊いた蟹ご飯にいくらを乗せたものを口いっぱいに頬張る。チャミスルの炭酸割りを飲みながら、電気焼き鳥機で焼いた牛タンを食べた。
お酒が入って気持ちよく昼寝をする。夕ご飯を食べてもいい時間になったけれど、お雑煮を作るのも面倒だし、そもそも食べたい気分じゃない。だだどうしても甘いものを口にしたくて、コーヒーを沸かし、クッキーをつまんだ。
友人へのクリスマスギフト用に買いに行ったのに、ついつい自分用にも買ってしまった缶入りクッキー。一度、蓋を開けてアクセサリーのように眺めだだけで、まだ手をつけていなかった。
こういうのでいい。伝統とかしきたりとか、そういうのも大事だし理にかなっているものもあるけれど、今年の元旦には重箱に詰めたお節よりも、缶入りクッキーがちょうどよかった。
こんなに静かに過ごすお正月は初めてだ。
10代のうちは、親戚一同が祖父母宅に集合するのが当たり前だった。一階では紅白歌合戦、二階のテレビでは俗っぽい番組を見ながらそれぞれ愉快に過ごす大晦日の夜。日付が変わると、二階組もぞろぞろ居間に集まって、祖母の手打ち蕎麦をみんなですすった。
大学時代は地元のホテルを押さえて、高校の部活仲間とベッドでお菓子を食べながらカウントダウンをした。ホテルがサービスで出してくれる年越し蕎麦を食べて、初詣に行くのが恒例だった。社会人になってからは、高校の同期と元旦の夕方に神社で現地集合してお参りをしてから、浴びるようにお酒を飲んで過ごしていた。
人の笑い声で溢れる賑やかなお正月が、一年のイベントのなかで一番大好きだった。そんな大好きなイベントは、いまではただ面倒で緊張感のあるイベントに変わってしまった。「元旦に届かないから死んだのかと思ったよ」という全然笑えないジョークを二度と父親に言わせないために機械のように年賀状を書いて、義実家ではニコニコ愛想を振りまいて良いお嫁さんを演じる。そんなお正月はため息ばかり出てしまう。
今年のお正月は、めでたい雰囲気こそ全然なかったが、余計な気苦労がなく、わたしとしては清々しかった。前のように戻って欲しい気持ちとは裏腹に、どさくさに紛れて面倒なイベントは全部省略されてしまえばいいのにと思っている自分がいる。
＊
この記事の形式がエッセイなのか日記なのかはよくわからないが、新年一発目の投稿だし、抱負を書いておこうと思う。
今年の目標は「健康に生き延びる」。タイミング的に、いとうあさこさんのほぼ丸パクリになってるけど、一応以前から思っていましたよアピールをさせて欲しい。年末に書いたブログにも通じているけれど、あれこれ目標を掲げすぎると自分の首を自分で締めかねないから、ベーシックなものだけ目標にする。それから先は努力目標ということで。あと、シソンヌのじろうさんに会いたいです。これは今年の願望。
昨年は、カロリーコントロールとほどよい運動、質の高い睡眠の大切さをしみじみ感じた一年だった。風邪や病気は予防できる範囲に限りがある気はするが、自律神経を整える環境作りは自分のできる範囲でやっていきたい。それと、体力増進＆長い目で続けられる趣味として、登山とマラソンには定期的にチャレンジしたい。脚力大事。
書くことに関しては、昨年、これまでだったら出会えないような方々と繋がれることができて本当に幸せだった。謙虚な気持ちで自分にできることを一つ一つ進めていきたいし、自分にはまだ力不足だからと敬遠してしまいそうなことにも果敢にチャレンジしたい。心がけたいのは、骨組みをもっと意識することと後半で失速しないこと、綺麗に書こうと肩に力を入れすぎないこと。
最後に、いつもこのブログを何処かで読んでくださっている画面の向こうのあなたへ。
いつもありがとうございます。あなたの一アクセスが今日もわたしの励みです。ブックマークやコメントも、こっそり頂くDMもにやにやしながら読んでいます。今年も素敵な出会いがたくさんあることを願っています。
本年もオミソ・シルコと『ぬか漬けは一日にしてならず』をよろしくお願いいたします。それでは。
