お盆に久しぶりに地元に帰った。帰った……とは言ってもほとんどは東京にいて、地元の水戸には丸一日もいなかった。今回はお盆休みの数日間の回顧録。
一日目、新幹線の自由席で東京へ。わたしは根っからのぷらっとこだまユーザーで、東京関西間の移動となれば最大限にぷらっとこだまを使う。時には課金をしてグリーン車に乗ることもある。某旅行会社で働いている知り合いにこの話をしたら「信じられない!」という反応をもらったが、わたしにとって優先順位のダントツ一位は混んでいないことで、急いで移動するというのは二の次なのである。ゆったり過ごしながら移動時間を楽しむことに価値があると思っている。
よっぽどのことがない限り繁忙期に帰省ラッシュに参加することはないのだが、今回は目的がお盆のど真ん中にぶつかった。ぷらっとこだまは販売期間外のため、人生でおそらく初めての新幹線の自由席の切符を買った。自由席の乗り方が分からない。何が自由で何が不自由なのだろうか。繁忙期の新幹線は、自由席ではひかりとこだましか乗れないようだ。混雑した駅でわたわたしないように、家を出る前におにぎりを握り、余っていたお菓子をジップロックにまとめ、一目散に新幹線のホームへと向かった。
昼間のこだまの自由席、がら空きだった。新大阪からわたしと同じ号車に乗り込んだ人は5人しかいなかった。東京に着くまで、結局隣には誰も乗って来ず、どの席も相席になっていなかったと思う。おにぎりやおやつをつまみながらドラマを観たり、昼寝をしたり、自分にとっての新幹線の最適解を見つけた気がする。
東京に着くと暑すぎて驚いた。噂にはもう秋めいていると聞いていたので、あまりにも夏すぎて、身体も気持ちも追いつかない。神保町を散策しにいくつもりが、寄り道せず宿に向かいまずシャワーを浴びた。支度をして本八幡のコート・ダジュールへ。30代半ばの身体には堪えるオールでカラオケを決行する。
着いてから2〜3時間は、ただお酒を飲みながら話していたので、飲み物を運んでくる店員さんがやや戸惑っていた。結局、朝まで誰も離脱せず、明け方はハロプロ縛りでモーニング娘。や松浦亜弥、プッチモニなど小学生時代に流行った曲をメドレーで歌った。30代、まだまだ行けるぞ。わたしたちは思いの外若かった。ただ、久しぶりにオールをして思ったのは、寝不足は胃が気持ち悪くなるということ、夏の朝の5時はかなり明るいということだった。
駅で解散し、宿に戻って仮眠を取った。シャワーを浴びて上野のペンスタで推し活を兼ねてモーニング。上野東京ラインで東京駅へ。旅の一番の目当てだった坂崎千春さんの『ハピネス ペンギン』展を観に行く。




新作版画の丸いフレームが可愛い…!『ペンギンとセルフケア』の絵が本当にツボすぎて楽しみにきたのだが、今回は初見ということで版画は我慢してグッズのみ購入。その後、地下のカフェで丸善で購入したばかりの本を読みながらしばし休憩。途中まで飲んだアイスコーヒーを持ちながら移動していたら東京駅にゴミ箱が全くなくて困った。捨てる場所がなく、泣く泣く店舗に入れずそのまま電車に乗った。
お昼ご飯を済ませられていなかったので新宿の改札内のそばいちで蕎麦を食べて小田急線へ。姉夫婦に合流すると、初めて降り立つ町田の街を案内してくれた。昔ながらの町田仲見世商店街では配偶者に昼寝用のい草枕をお土産に購入。その後は姉夫婦がよく通っているという磯丸水産で昼から飲んだ。親族と昼から酒を飲むなんてお盆らしくていいじゃないか。店内はまるで親戚の集まりのような団体客で賑わっていた。
その夜は姉夫婦の家にお世話になった。その日、日本列島には複数の台風が近づいており、町田を出る時にはすでに豪雨。同時に、翌日約束をしていた友人から連絡が入る。搭乗手続き後に飛行機が欠航になり、福岡空港で足止めを食らって帰れなくなったとのこと。残念ながら予定もなくなってしまったので、次の日は姉の家で昼すぎまでゆっくりさせてもらうことになった。リモートワークする姉を脇目に、リビングで姉夫婦おすすめの『梨泰院クラス』を見ることにした。面白い!!!!!6年越しにようやくこの大ヒット韓国ドラマの面白さを思い知ることになった。
姉と昼食のパスタを食べた後、町田を後にして桜木町駅へと向かう。姉と数時間ふたりきりで過ごすことはここ数年なかったのだが、近すぎるとあまりいい関係が築けないことを改めて実感した。もっとゆっくりしていきなよ、と言ってくれたが、振り解くようにして帰ってきてしまった。自分でもよく分からないが気を遣いすぎてどっと疲れた。桜木町駅に着くとコインランドリーに洗濯物を回しに行った。その間にペンスタ桜木町店でSuicaのペンギンのグッズを購入。暑さの中、再び乾燥機をかけにコインランドリーへ戻り、(ああ…わたしは旅先で暑い中何をしてるんだろう…)と思いつつ、清潔な衣類たちを見てようやく気持ちが上向きになった。
なんだか今回は移動ばかりしているな。今度からは宿を一か所に決めてそこを起点に動こう、と反省した。拠点がない状況は精神的に結構来る。気付いたらもう夕方になっていて、東京駅の八重洲口のバスターミナルで水戸行きの高速バスのチケットを買った。大学生の頃はいつも高速バスで帰省をしていたのでその頃が懐かしい。今では常磐線で帰ることが増えたが、高速バスは乗車待ちの列に並んでいるだけで故郷に帰ってきたような安心感があってそれまでの緊張が緩む。

2年ぶりの水戸。駅に降り立ったら寒すぎて笑ってしまった。茨城は時々冗談で南東北と言われるが、この寒さじゃ本当に東北の仲間入りだ。水戸駅周辺はラッキーフェス帰りの人で賑わい、楽しげな雰囲気だった。さらにここから電車に乗り、友人の住む最寄り駅に着く。駅前のスーパーに寄ったら店の入り口にこんなポップがかかっていて、大袈裟でなく店内で少し泣いてしまった。いつまでも変わらない大好きなふるさとへ、ただいま帰りました。

わたしが駅に着いたのと同刻くらいに福岡から帰ってきたばかりの高校時代の友人C。こんな状況で申し訳ないけれど快く泊めてくれた。お互い大きな荷物を抱え、お土産を交換し合い、寝支度を整えてそそくさと寝た。旅の中で一番リラックスして眠ることができた。ありがたい。わたしは本当に友達に恵まれる人生だ。
翌朝、数時間の滞在を終えて、Cの家を後にして実家へと向かう。実家に寄るのは祖母の葬式ぶり。宿敵の父が甲信越地方の祖父母の家に帰るタイミングを見計らって母に会いに行った。奇しくもこの日、統計開始以来初めて茨城県に台風が上陸した。水戸芸術館など、夜までゆっくり水戸の街を巡る予定だったが、15時前には常磐線に乗らないと台風に追い付かれる。
実家に帰ると母の作ってくれたポテトサラダとゴーヤチャンプルーを食べた。美味しくてお皿に盛った分すべて平らげてご飯をおかわりした。ゴーヤチャンプルーはまだ実家に住んでいた頃によくふたりで作っていた。当時はゴーヤの苦味が苦手で、薄切りにして塩揉みをして苦味をとっていたが、いまはこの苦味がクセになる。遅めの朝ごはんを食べたあとは大型スーパーへ義実家へ送る梨を買いに行き、ヤマトの営業所で配送の手続きをした。そのまま帰宅してまたお弁当を食べ、出勤前の母に水戸駅まで車で送ってもらった。
結局、ハプニング続きで水戸には丸一日もいれなかった。でも、仏壇にお線香をあげることができて、母と数時間でも過ごすことができて、Cの顔も見れたので良かった。案の定、夕方くらいから常磐線は大幅な遅れが出ていて、数十分でも遅ければ足止めをくらっているところだった。時間に余裕があったので、北千住で銭湯に入り、移動の疲れを癒した。


その翌日は関西で予定があったため、そそくさと東京を後にした(帰りは八重洲から夜行バスで帰った)。風と雨が凄すぎて、道中に死ぬのではと一瞬覚悟しましたが、無事に辿り着きました。不幸中の幸いだったのは、台風に追いかけられる間一度も傘を挿す瞬間がなかったことだった。






















































