家族

教師で反面教師な父親のこと

前々回のブログを書いた直後、父親から一行だけのメールが届いた。それを読んで、わたしはとうとう父親と縁を切ることを決意した。 このブログで、ずっと父親の本質と父娘の関係については触れてきていなかったように思う。先の記事でわたしにとってはブログ…

きゅうりのぬか漬け

きゅうりのぬか漬けとは、このブログ名になっている食べ物であり、それは祖母の料理の代表作でもあった。 父親の母である祖母は、このブログでも以前書いたように人格的にかなり難ありな人だった。だが、料理の腕前は格別だった。 元々は女学校の先生をして…

知恵の輪

コロナが少し落ち着いて、やっと遠出ができるかと期待していたら、思いがけず家族!家族!家族!な一年になってしまった。 色んな場所に足を運んだが、結局どれも弔事に関するものばかりで、葬式に向かう途中に寄ったSAの記憶とか、実家へ向かう新幹線からの…

祖母からの最後の贈り物

父方の祖母の四十九日の法要が終わり、ああ、そろそろさすがにクリーニングに出した喪服を取りに行かなきゃなあと思っていた日曜日の朝、水戸に住んでいる母方の祖母が亡くなったと母からメールが来た。信じられなくて、嘘だと思いたくて、ベッドの上で子供…

祭壇には一杯の焼酎を

永い夏が始まる頃、祖母が急に死んだ。百二十歳くらいまで平気でしぶとく生き延び、日本最高齢などを更新してもおかしくなさそうな父方の祖母があっけなく逝ってしまった。初め、午前中に祖母が倒れて病院に運ばれたと連絡が入ってから、昼過ぎには訃報の連…

永くて暑い夏

二ヶ月前に父方の祖母が亡くなり、四十九日が終わったことを区切りに、ぽつぽつとブログに言葉をまとめ始めた時、両親と同居している祖母が亡くなったと母から連絡があった。この数ヶ月のうちに立て続けに祖母ふたりを亡くしてしまった。今年は夏が駆け足で…

さよならおさちゃん

12月の頭、文鳥が死んだ。その日は気持ちのいい冬晴れで、病院への道中にある山々は鮮やかに色付いていた。わたしは手術を終えた文鳥を膝の上に抱えながら外の景色を見て、こんなに綺麗な日に天国に行ってしまうことなんてないだろうと思っていたが、その日…

わたしの姉ちゃん

最近観た中でお気に入りのドラマがふたつある。『僕の姉ちゃん』と『姉ちゃんの恋人』。前者は黒木華さん、後者は有村架純さんが姉ちゃん役をやっていて、どちらも弟視点でストーリーが進んでいく。 『僕の姉ちゃん』は姉ちゃんのファッションや音楽、特に晩…

色々

色々とは便利な言葉で、お茶を濁したい時、抜群に効果を発揮してくれる。話せば長くなるけれどあなたに踏み込まれるにはトゥーマッチなので……という思いの数々を「い・ろ・い・ろ」の四文字に詰め込んで、これまで幾度となく笑顔でやり過ごしてきた。そして…

琵琶湖の夕焼けとスラ・スラン

あれは祖父の葬式のあとだったか、父親とドライブをする機会があった。二人で車に乗って何処かに行くのは、東日本大震災の際に旅先で被災した姉を迎えに行った時以来、およそ5年ぶりのことだった。 ドライブと言っても、街の和菓子屋まで地元の銘菓を買いに…

舞鶴、伯父が働いていた街。

舞鶴。京都の北の端にある、日本海に面した海の街。 直接的な関わりはないが、関東で生まれ育ったわたしにも所縁のある街だ。 わたしの伯父は、およそ4年前に突然死んだ。 仕事帰りに母親から滅多にこないEメールが入っていたので開封したら、そこには伯父が…

大伯母のパスポートと失くした学生証

高2の新学期、毎年例のごとく行われる地獄の自己紹介タイムがあった。ひとりひとり壇上に登って、担任から指定された項目について話さなければならない。自己紹介に盛り込むべき内容のひとつは「将来の夢」だった。自分の将来の夢を、ほとんど顔も名前も知ら…

兄はどこにも居ない

わたしにはひとりの姉がいる。いつぞやの記事でお披露目した、アホだけど愛すべき姉だ。言い換えれば姉妹しかいない。だから、男兄弟、特に兄が欲しかった。結局ないものねだりで、男兄弟しかいなければ姉が欲しかったと言っているのが目に見えるようだけれ…

鯖缶、姉、ポラロイドカメラ

先週末から39℃の高熱でダウンして、一週間の半分を布団の上で過ごしてしまった。病院に行ったら今流行りの手足口病だと診断された。どうやら先日のプールで貰ってきてしまったらしい。お医者さんには喉に斑点ができていると言われた。診断を聞いていたかのよ…

わたしのヤバい家族と家族コンプレックスについて

よく衝撃的な出来事を目の当たりにして「ドラマみたい」なんてことを言うけれど、事実は小説よりも奇なりと言われるように、現実には自分の想像を絶するような奇妙な出来事はたくさん起きているのだろう。 毎週待ちわびていたドラマ『向かいのバズる家族』が…