2020-01-01から1年間の記事一覧

要らない荷物は全部、2020年に置いていく。

長かった2020年もやっと終わる。例年気合を入れて頑張っていたお節作りは、もう頑張らないことにした。目標を立てて頑張ることを増やすのではなくて、無理に頑張らなくていいことを少しずつ減らしていきたい。要らない荷物は全部、2020年に置いていく。古紙…

琵琶湖の夕焼けとスラ・スラン

あれは祖父の葬式のあとだったか、父親とドライブをする機会があった。二人で車に乗って何処かに行くのは、東日本大震災の際に旅先で被災した姉を迎えに行った時以来、およそ5年ぶりのことだった。 ドライブと言っても、街の和菓子屋まで地元の銘菓を買いに…

記憶の棚のスノードーム

喫茶店では普段ブラックコーヒーしか頼まないわたしが、ドトールの温かいハニーカフェオレを飲みたくなる時、季節がまたひとつ前進したことを実感する。 夕方のドラッグストアで、はちみつを手に取った。数日前からはちみつの染みたバタートーストが食べたく…

文鳥と病院通いのお盆

お盆の間、文鳥が卵詰まりになりかけていて、動物病院を行ったり来たりしていた。お医者さんには、「産卵は寿命を縮める危険な行為なんですよ」と少し厳しい口調で言われ、わたしは小さくなってしまった。幸いなことに、二度のカルシウム注射で自然に産むこ…

あなたの価値

Photo by Piero Di Maria あなたの価値はそんなもので決まらない 可愛くない 彼女がいない 内定がない あなたの価値はそんなもので決まらない ロレックスの腕時計をつけている ロエベのバッグを持っている あなたの価値はそんなもので決まらない あの子は言…

雲はグレー いちごは赤

新しい街に引っ越してから二ヶ月が経った。 なんとなくこの街の雰囲気にも慣れてきて、ここがどういう土地なのか、なんとなく掴めてきた。どんよりとした曇り空が似合うちょっと汚いこの街は、上京してから初めて住んだ街にどことなく似ている。とはいえ、駅…

クルミのスコーンと幼なじみ

初めて焼いたあの日から、スコーン作りが日曜日の朝のルーティンになり始めている。 misoshiruko.hatenablog.com いままではホットケーキが一番楽だと思っていたけれど、洗い物が案外出るのが難点だった。それに比べて、スコーンは洗い物が圧倒的に少ない。…

SUUMOタウンに寄稿しました(出身地・茨城県水戸市について)

なんと、この度、SUUMOタウンに寄稿させていただきました! suumo.jp わたしが住んでいた街として、愛する故郷の「水戸」について書きました。 思わぬところで出身地を明かすことになりましたが、過去の記事で北関東や納豆などのワードを出しているのでもう…

SとMの話

最近、自分はどんな立ち振る舞いをすれば良いのかわからなくなってきた。 都内で医療従事者として働いている友人Mに連絡をした。Mとはお正月やお盆に呑む間柄の、一言で言えば “マブ” だ。Mはダイビングが趣味でよく彼氏とその辺の海に潜っているらしい。高…

スコーンと爆発する民

今日は生まれて初めてスコーンを焼いた。 「雑さが命」というフレーズがあまりにも魅力的で、迷わずにそのレシピを選んだ。ズボラなわたしにぴったりだ。 バターを入れる順番を間違えたし、卵も半分でいいのに中途半端に残ると面倒だからと全部ぶち込んだり…

緊急事態宣言の前夜

夕飯には仕込んでおいたにんにくと生姜たっぷりの唐揚げに大根おろしと天翔の柚子ポン酢を合わせて食べた。身体が薬味を欲している。 明日にも、緊急事態宣言が出るらしい。 本当は昨夜のうちに買い出しをしておきたかったのだけれど、近隣の小さなスーパー…

明日、遺書を書こうと思う。

ほんの3ヶ月前には、令和2年の年賀状を嫌々ながらも書いていたところだった。当たり前のように毎日が続いていると思っていたのに、蓋を開けてみたら、そこにあったのは想像を絶する日々だった。 富士山に登るとき、海外旅行に行くとき、危険な地域に行く際や…

人間関係の雪解けには日にち薬を

「3年間」に大きな意味合いを感じているのは、わたしだけだろうか。 6年・3年・3年……義務教育が3の倍数で続いていくことから、自然と染み付いたものなのだと思う。3年間で次のステージにあがる、というイメージが強い。「3年は我慢」というのはきっと、昔か…

桃の節句の悲劇

(一部センシティブな内容を含みます。ご注意してお読みください。) 伯父の死を境に、どうもそんな気分になれずぱったりと辞めてしまったけれど、一時期、お花屋さんに寄って旬の花を買っては、キッチンや洗面台に飾るのにハマっていた。 一番好きなお花は…

はてなブログを始めて一年が経った

はてなからメールが届いた。この前も同じようなメールが来ていたが、「しばらく更新されていませんがブログを書いてはいかがですか?」という、微力ながらも圧力を感じる内容のリマインドだったので、少し心臓に力を入れてからメールを開封した。 よかった。…

駄作チョコレートのラストチャンス

小学生の頃から、お菓子作りには全く興味がなかった。姉は器用に市松模様のアイスボックスクッキーやトリュフ、ブラウニーなど「お菓子作り」と胸を張って言えるようなスイーツをよく作っていたが、一方のわたしはコタツでぬくぬくしながら「よくやるなあ」…

そうだ 青春18切符で行こう。

聞いてもいないのに、良いとか悪いとか、それは合ってるとか間違っているとか、勝手にジャッジしてくる人がいる。何を見てそう思うのか、どうしてあなたが判断するのかさっぱり分からない。審判に強い憧れでもあるのだろうか。限られた情報だけで判断するこ…

弾丸金沢旅 〜流動的なサードプレイス〜

金沢旅行記の続きを書きました。前半はこちらから。 misoshiruko.hatenablog.com * 喫茶店の窓から射す西日がかなり強くなってきた。日没まであと1時間くらいだろう。 本を読みきったタイミングで店を出る。 500円でバスの1日周遊きっぷを買ったけれど、結…

弾丸金沢旅 〜金沢城とハントンライス、懐かしの喫茶店〜

弾丸で金沢に行ってきた。計3度目の訪問。 今回はかなり強気で、滞在日数は1.5日、予算は宿泊費と食費諸々込みでトータル1.5万円。 到着は深夜だったため、FIRST CABINで一泊。 ここが本当に最高で、もっとゆっくりしていたかった。 misoshiruko.hatenablog.…

金沢で泊まったFIRST CABINが最高だった話

年末、ひょんなことから弾丸で金沢へ行くことになり、慌てて宿を予約した。 FIRST CABIN 金沢百万石通店(https://first-cabin.jp/hotels/30)。先日、車で梅小路公園の近くを走っていた際に路地裏で見かけて、「あー。これ飛行機みたいなやつか。前にテレビ…

舞鶴、伯父が働いていた街。

舞鶴。京都の北の端にある、日本海に面した海の街。 直接的な関わりはないが、関東で生まれ育ったわたしにも所縁のある街だ。 わたしの伯父は、およそ4年前に突然死んだ。 仕事帰りに母親から滅多にこないEメールが入っていたので開封したら、そこには伯父が…