心がclosed(閉店中)になった話

このところわたしはずっとモヤモヤしている。その原因ははっきりしているのだが、どうにも解決策が見つからずに悶々とする日々が続いている。

 

来月の上旬に、中学時代からの親友Kが遊びに来る予定になっている。せっかく関西に来るので、我が家に遊びに来るだけでなく2人の旅行も兼ねようということで、関西をぐるっと周る計画を立てている。日程が決まったのは7月下旬とか8月の頭くらいで、かなり余裕を持って進んでいるはず……だった。蓋を開けてみれば、現時点で確定しているのは宿だけだ。それもたった1泊分。にも関わらず、宿を取るのに2〜3週間も時間がかかった。

 

わたしが普段旅に出るときは、目的地を決め、ざっくりとした行程とともにエリアを定めつつ、宿を探す。宿が決まれば、エリアと行動時間から換算してその日の旅程をざっくりと立てていく。早ければ2〜3日、長くても一週間あれば大体の予定が決まる。ひとりの旅行は気が楽で本当に良い。

 

一方で今回の旅行は1泊分の宿を決めるだけでも数週間を要している。その原因としては親友がそれほど旅行慣れしていないというのもあるし、土地勘がないというのもある。でも、2〜3週間ってかかりすぎじゃない???!?というのが私の正直な感覚である。旅には決断力が求められているのだ。旅をするとき、数ある候補地のなかから自分のリクエストになるべく近いものを自分の嗅覚で選び取っていく必要がある。

 

その中学からの親友Kと同じく、来週末には高校時代の友人Sが遊びに来る。こちらも同程度のボリュームの旅行を兼ねているが、こちらに関しては1回の打ち合わせ(電話で約1時間)で2泊分の宿、レンタカー、だいたいの当日のルートが決まったのだった。

 

 

この違いはなんだろう〜

 

この違いはなんだろう〜

 

 


春に

 

そもそも、親友という呼び方をわたしはなるべくしたくはない。友人のなかにある序列をわざわざ公にしているみたいでいやなのだ。それなのにKを親友と呼ぶのは、友人と呼ぶには物足りなさすぎるからだ。親友呼びを嫌がるとかの次元じゃなく、Kは親友と呼ぶしかないくらいの存在なのだ。わたしの根底には義理人情の考え方が強くあって、昔からの友人を大切にすることは自分の人生にも繋がっていると思っている(仮に、今世のうちに刺青を入れる機会があるとしたら「義理人情」と彫りたい)。

 

正直、人間関係はばっさり捨てるタイプではある。親しき仲にも礼儀ありというのが体現できない関係は、あっさりとその人の元を立ち去るようにしているので、この5年で疎遠になった関係は結構ある。

 

misoshiruko.hatenablog.com

 

お互いを尊重できない相手と友人を関係を続けることに費やす時間は無駄だと思う。もはや、それは友人関係とは呼べないし。だから正直、Kが親友レベルの人間でなかったら、縁を切るとまではいかなくとも、いまごろ距離を置いていると思うのだが、いかんせんそうもいかない。わたし、どうしたらいいでしょうか?

 

 

親友Kは超ポジティブで、おそらく自己肯定感がかなり強く、LINEでも電話でもとにかく自分の話が先決なのだ。とにかく近況を1から10まで話さないと気が済まない。本心でいえば一文で返したいところだが、LINEでは同じくらいのボリュームで気遣いの言葉、いかに相手を労わる言葉を並べるかがここ最近のルーティンになりつつある。相槌を打つ達人になる修行をしているようだ。「自分の話ばかりする_女」などと検索しては、Kは実は自分に自信がないから自分の話ばかりするのか?はたまたプライドが高すぎるのか?などと考察するのに時間を費やしている。

 

Kは、親友というか、双子の姉(妹)みたいな存在になっているのかもしれない。Kとは家族構成も同じで、父親の性格もそっくりで、お互いの性格もかなり似ているところが多い。その分分かり合えることも多い一方で、実の姉とそばにいれば喧嘩するように、他人だと割り切れるものが割り切れなくなっているのだと、自分では分析している。

 

 

わたしがこのように心の折り合いをつけているなか、先ほど来月の旅行に関する何回目かの打ち合わせの電話をした。わたしは「来週以降は予定が詰まっているし、時期も迫ってきているので、なるべく今回の打ち合わせである程度の予定を組みたい。」とあらかじめ伝えていた。しかし、いざ電話を始めたら、自分の仕事がどれだけ忙しいのかなどという主にKの話をウンウンと聞くことに5割程度の時間を割いた。結局、京都散策のエリアとその際に着物を借りる店舗が確定しただけだった。挙句の果てには、わたしが今回の旅行に関する話をしていたにも関わらず、「次行くときは浴衣で川床行きた〜い!」という一言により遮られ、その話は中断したまま終わった。

 

その瞬間、テラスハウスのエンディングでドアがバタン!と閉まる音が心の奥から聞こえた。

 

f:id:uminekoblues:20190912205101j:image

 (親愛なる泉沢さん風にイラストを描いてみました)