SとMの話

最近、自分はどんな立ち振る舞いをすれば良いのかわからなくなってきた。

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都内で医療従事者として働いている友人Mに連絡をした。Mとはお正月やお盆に呑む間柄の、一言で言えば “マブ” だ。Mはダイビングが趣味でよく彼氏とその辺の海に潜っているらしい。高校時代の修学旅行では、広島のホテルが同室で、特に語り合うなど修学旅行「らしい」ことをせずにふたりともベッドに入り、「ねえ、うちら修学旅行なのにこのまま寝ていいの?」と言って、だらだらと一回トランプをして満足して寝た覚えがある。

 

Mの病院でも、今週くらいからコロナ患者を受け入れることになったらしい。大きい病院はもういっぱいなのだそうだ。Mは受け入れチームのメンバーではないらしいが、その分のしわ寄せがひどいと嘆いていた。チームが違うとはいえ、もし院内感染が起きたら?と考えると辛くなって、ポテチを貪りながらレモンサワーを5杯くらい飲んでしまった。

  

 

いまこの国で起きていることはめちゃくちゃなことばかりで、内心すごく怒っている。もっと勉強していたら、もっと専門知識があったら、この訳の分からない状況を少しでも変えることができていたか?自分の無力さに苛立ちさえ覚えてくる。

 

特に、このところ気が滅入る要因になっているのはSNSでの立ち振る舞いについて。

現状を嘆いたり怒ったりすると、あからさまにフォロワー数は減るし、だからといって自分の意見を押し殺すのも難しいので悩みどころだ。ツイッターは、見たくもないものが意図せずに目に入ってきてしまうから、ぽんぽんと思いつきで怒りに任せて発言すると他人にストレスを与えやすいんだろうなと思う。でも、そもそもこんな状況で、しかも友人が危険に晒されていて正気ではいられないよ。

 

ブログは読みたいものを自分から探しに行くものだと思うから、こちらに気持ちをぶつける方がまだ誰かにも自分にもストレスを溜めさせずに済むのかな、なんて考えたりしている。「ああ、こういうのは興味ないや」と感じたら、そっと閉じてくれたらいいと思う。コロナが収束したあとの世界では、人間関係もガラッと変わっている気がしてならない。

 

 

昨日、埼玉の医療機関に勤めている友人Sにせめてもの気持ちで小包を送った。出来ることならばドカンとマスク工場を作って彼女の働く病院に供給したいくらいだけれど、残念ながらわたしにはそんな財力も権限もない。とにかく疲れているだろうと思い、バスソルトのセットなどを包んだ。ゆっくりお風呂に浸かって、少しでもよく眠ってくれたらいいな。

 

Sとは、一年に何度も美味しいものを贈り合う仲だ。毎年、義実家で夏にブルーベリーを大量に摘ませて貰うので、Sにはたくさんの自家製ジャムを送りつけている。昨年は、誕生日に無印のカレーを大量に貰った。香川旅行中、スーツケースからどかんと大きな紙袋を出すので笑ってしまった。次はSが行きたいと言っていたさざなみ海道にも行きたいし、尾道にも行きたい。

 

余談だけど、現実逃避のために3年前に義弟からもらったGTA5をやっている。手紙の断片は集め終わったので、いまは潜水艦で海底に潜って放射性物質拾いをしている。バーチャル上だとしても、シュノーケリングは癒される。水の音が心地よい。リアルな海は怖くてあまり近付けないのだけれど、少しだけMの気持ちがわかる。

 

 

写真:christal marshallによるPixabayからの画像