永くて暑い夏

二ヶ月前に父方の祖母が亡くなり、四十九日が終わったことを区切りに、ぽつぽつとブログに言葉をまとめ始めた時、両親と同居している祖母が亡くなったと母から連絡があった。この数ヶ月のうちに立て続けに祖母ふたりを亡くしてしまった。今年は夏が駆け足で来すぎたせいで、本当は少しずつ季節は巡っているはずなのに、ずっと夏の間に起きた出来事のような感じがしている。

 

同じ年の同じ季節に亡くなったふたりの祖母の最期は、なんの因果かまるっきり正反対で、見送りの仕方もまるで違うものだった。その違いが余計に胸を引き裂いて、死生観に大きな変化をもたらす出来事になった。

 

もうふたりがこの世に居ないのだという喪失感と、キャラクター性の強い親族との度重なる交流で気持ちも身体もヘトヘトになってしまった。胃に穴が空きそうだ。もともと胃腸が弱い方なので、比喩なんかではなく本当に穴が空いているかもしれない。

 

祖父母の家や自分の子供の頃に暮らしていた街にこんな形で帰ることになるとは、自分がいつの間にか一人の大人として見送る年齢になってしまったことを実感する。それでも祖母と対面したときの感覚は子供の頃のままで、いつまで経っても祖母ではなくおばあちゃんであることに変わらない。その隔たりを埋めるにはまだ少し時間が要りそうだ。

 

そして、この出来事を「悲しい」や「辛い」の形容詞だけで消化してやらないという強い決意を持ち始めているのもまた事実で、これから少しずつ言葉にして残して行こうと思っている。

この永くて暑い夏よ、どうか早く過ぎ去って、哀愁の似合う秋が来て欲しい。